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SOME KIND OF FOOL Pt.1 / TTUCKER PAYNE - 2010-02-04 04:26:41
15:40――。男は時間短縮のポイントをシュミレートしながらアジトを出た。

丑三つ時の闇夜に紛れて下見を行なったのが2日前。目的地である駅迄の所要時間は自転車で丁度一時間だった。乗る手筈になっている特急は16:25発なので、猶予は45分しかないと言う事になる。下見した時とはうって変わって、作戦決行は最も人が活発に活動している時間帯だ。勿論交通量も桁違いに多く、早る男の行く手は確実に阻まれるだろう。自転車を走らせながら時間を逆算して行く。通行人に溢れる歩道をのらりくらり避けながら走るより、多少危険でも車道を走った方が遥かに ましだ。ただ、目立たぬ様にしなければならない。巡回している警官に止められでもすれば最後、立ち所に時間をロスし、それは同時に半年掛けて計画して来た作戦の失敗を意味する。

残念な事に強い寒波に伴う強烈な向かい風が進行速度を鈍らせる。暫く行くと小さな緑地公園に差しかかった。昼下がりの緑地公園。冬の冷気で葉が剥げ落ち荒涼としている。抵抗が少なくなった木々は、強い北風の影響を全く受けずに平然と立ち並んでいる。あたかも向かい風にもがく男を嘲笑うかの様に…。

もう少しで半分、と言った所で、男は無駄の無い動きで時計に目をやる。防寒具の重装備が動作を煩わしくする。時計の針は16:02を指していた。非常に良いペースではあったが、この先少しでもペースが落ちれば間に合わない可能性が高い。しかも2日前の下見は夜中に行なった為に改札の中を実際に見てはいなかった。男は今迄以上の集中力を要する事に対する絶望に似た感情をかなぐり捨てると更に先を急いだ。
 
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